学校の昼休みにみんな校庭で遊んでるのに、僕だけ図書室で本読んでたら「昼休みに校庭で遊ばないなんて普通じゃない」って言われちゃったよ。
みんながしてることは僕もしないと普通じゃないのかなあ・・
みんながしてることが「普通」なら、それをしないと「普通じゃない」って思われちゃいますよね。
でも本当にそうでしょうか?
そもそも「普通」って何なんでしょうか。
- 先生が言うことが普通?
- 親が言うことが普通?
- 給食は残さず食べることが普通?
- ハンバーグが嫌いなのは普通じゃない?

- みえるとかみえないとか
- ぼくは上手にしゃべれない
- 金子みすゞ 童謡詩
- ぼくだけのこと
- みんな同じ「普通」はありえない
- みんな「普通じゃない」が当たり前




Contents
みんな同じ「普通」はありえない
みえるとかみえないとか
ぼくは色んな星を調査する宇宙飛行士。
今日は目が3つある人の星に来たけど、目が二つしかなくて後ろを見れない僕はかわいそうって思われちゃった。
宇宙にはいろんな人がいるけど、違うところをお互いに面白がればいいんだね。
2つしか目がないぼくは目が3つある人の星では、「普通じゃないから」とても珍しがられてかわいそうにも思われてしまいました。
「目が2つしかないなんて不便じゃない?」
「誰か 後ろ見ててあげて~~!」
他の星では口が長い人が住んでいました。
底が深いビンに食べ物が入っていたので、僕は食べることができません。
また他の星では足の長い人が住んでいました。
階段の幅がとても長いので僕の足では階段を上ることができません。
地球では僕は普通だったのに、他の星では「普通ではない」になってしまいました。
これは外国に行ってみるとよく分かります。
あなたが普通に話していることやしていることが、外国に行けばとても珍しいことだったり、失礼なことだったりすることがかなりあります。
一番分かりやすいのが写真を撮るピースだったりOKサインだったり。
- OKサイン:フランスで「役に立たない」ことを意味します。
- ピース:ギリシャでは「犯罪者」を意味します。

このように、何が「普通」であるかということは、それがどこに行っても絶対正しいことはありません。
人を殺すのは確かにどこに行っても許されないことです。
でも病院でもう助からない人を楽に死なせてあげる(安楽死)ことは認められている国もあります。

また戦争ではたくさんの敵を殺すことが、正義とされていませんか?

僕は上手にしゃべれない
中学1年生の柏崎悠太くんは吃音があって言葉がうまくしゃべれません。
吃音があることがとても嫌であまり人とも話したがらない性格なのですが、そんな悠太くんが放送部に入り、大勢の人の前でスピーチをすることになりました。
まず、「吃音(きつ音)」って知っていますか?
きつ音とは簡単に言えば「言葉がうまく話せない」ことです。
【きつ音に関する本はこんなにあります!】
そして、このブログを書いている私はきつ音を持っています。
だから、私は時々「お・お・お・おはよう」とか「・・・・・はよう」とか普通ではない話し方をすることがあります。
でもそれはわざとではなく、生まれつきできつ音があるのが私です。
柏崎悠太くんもきつ音があるせいで、ずっと悩んできて自分は人とは違うと思ってきました。
きつ音がないスラスラ話せる人はそれが普通だと思っているかもしれませんが、私にとってはスラスラ話せないことが普通なんです。
柏崎悠太くんも言葉がつっかえながら大勢の人の前でスピーチをします。
その光景はかなりリアルに書かれているので、ぜひ一度読んでみてほしい本です。
【『僕は上手にしゃべれない』、きつ音についてはこちらのブログでも書いています】
これはきつ音だけに限らず、
- 給食を食べるのが遅ければ、それがあなたの「普通」
- カラオケが得意なら、それがあなたの「普通」
- ハッピーターンの袋についている粉をいつも舐めてしまうのも、それがあなたの「普通」

分かったような、分からないような・・
なんかまだピンとこないなあ
じゃあ、今度は「詩」を読んで考えてみましょう。
みんな「普通じゃない」が当たり前
金子みすゞ 童謡詩
金子みすゞ
『私と小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速く走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
この詩を読むと、みんなそれぞれできることがあるし、できないこともある。
鳥の世界では飛べるのが普通だけど、私が手を広げても飛べないから鳥の世界では普通じゃない。

だからといってそれが良いとか悪いとかではなくて、みんなそれぞれ違うから世の中は面白いんだよ
と言っていますね。
さっき出た『みえるとかみえないとか』では「それぞれ違うところをお互い面白がろう」と言っています。
自分の世界では普通じゃないからと、からかったり変に思ったりすることの方がおかしいですよね。
本当にそうでしょうか?
もしそう思うならこの絵本を読んでみてください。
あなたが世界に一人しかいない特別な人だってことが分かりますよ!
ぼくだけのこと
ぼくのなまえはようた。
世界中で「ぼく」という人間はただひとり。
これってすごいことだ!
きょうも「ぼくだけのこと」を見つけてみよう。
ようたは世界でただ一人の人間です。なぜなら・・
- 3人兄弟の中で一人だけ右ほおにえくぼがある
- 5人家族の中で一人だけ蚊にさされる
- 7人グループの中でで一人だけ逆立ちができる
- 25人のクラスの中で一人だけ芸能人のサインを持っていない
- 453人の全校生徒の中で一人だけ朝礼で貧血で倒れた
- 町の人たちの中で一人だけ犬のチャッピーに吠えられない
世界中でこれ全てに当てはまるのはようただけ!
これはすごいことですよね。
こんな風に「あなただけのこと」を探してみてください。
- 家族の中ではどうだろう・・
- 学校では?
- 町では?
- 通っている塾では?
その全ての「あなただけ」を持っているのはあなただけです!
これであなたも他の人から見たら「普通じゃない」世界に一人の特別な人間ですよ!
これでもう誰かに「普通じゃない」って言われても落ち込むことはないですよね。
むしろ世界で一人の人間だと認められて嬉しいことではないですか。

それに言った相手も「普通じゃない」んですからね。
それでは今日のおさらいです。
今日のおさらい♪
- みんな同じ「普通」はありえない
- みんな「普通じゃない」が当たり前
- みえるとかみえないとか
- ぼくは上手にしゃべれない
- 金子みすゞ 童謡詩
- ぼくだけのこと
[…] […]